React

概要

React（リアクト）は、Facebook（現 Meta）社によって開発された、ユーザーインターフェース（UI）を効率的に構築するための JavaScript ライブラリである。

Web アプリケーションのビュー（見た目）部分の開発に特化しており、そのコンポーネントベースのアーキテクチャは、大規模で複雑なアプリケーションの開発を容易にする。

主な特徴

• コンポーネントベース: UI を「コンポーネント」と呼ばれる独立した再利用可能な部品の組み合わせとして構築する。これにより、コードの管理がしやすくなり、開発効率が向上する。
• 宣言的な UI:「データがこのような状態のとき、UI はこうあるべき」というように、最終的な見た目を宣言的に記述する。データの変更に応じて、React が効率的に UI の更新を処理してくれる。
• 仮想 DOM (Virtual DOM): 実際の DOM（Document Object Model）のコピーをメモリ上に保持する。UI の状態が変化すると、まず仮想 DOM 上で差分を計算し、変更があった部分だけを実際の DOM に反映させる。これにより、不要な再描画を最小限に抑え、高速なパフォーマンスを実現する。
• JSX: JavaScript の構文を拡張したもので、JavaScript コードの中に HTML に似た記法で UI の構造を記述できる。これにより、ロジックとビューを同じファイル内で管理しやすくなる。

利用シーン

React は、現代的な Web フロントエンド開発において、非常に広く利用されている。

• シングルページアプリケーション (SPA): ページ遷移を伴わずに、単一のウェブページ上でコンテンツが動的に切り替わるアプリケーションの構築。
• Web アプリケーションのフロントエンド: Facebook, Instagram, Netflix など、世界中の多くの大規模 Web サービスのフロントエンドで採用されている。
• モバイルアプリケーション (React Native): React の設計思想を応用し、単一のコードベースから iOS と Android の両方のネイティブアプリを開発できるフレームワーク「React Native」も存在する。