メタデータ(Metadata)とは、あるデータに付随して、そのデータの属性や文脈を記述する情報のことである。「データのためのデータ」とも呼ばれる。

概要

メタデータは、対象のデータを効率的に探し、管理し、利用するために不可欠な役割を担う。

例えば、図書館の蔵書カードは、書籍(データ)という実体に対して、そのタイトル、著者、出版社、分類番号といったメタデータを付与することで、膨大な蔵書の中から目的の一冊を見つけ出すことを可能にする。

主な目的

メタデータは、以下のような多様な目的で利用される。

  • 検索性の向上: キーワードや属性を用いて、目的のデータを迅速に発見する。
  • 文脈の提供: データが「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」作成されたかといった背景情報を提供する。
  • 相互運用性の確保: 異なるシステムやアプリケーション間でのデータ交換や連携を円滑にする。
  • データ管理: データのバージョン管理、アクセス権、保存期間などのライフサイクルを管理する。
  • 構造の記述: データの内部構造や他のデータとの関連性を示す。

具体例

私たちの身の回りには、様々な形のメタデータが存在する。

  • ファイルシステム: ファイル名、作成・更新日時、ファイルサイズ、所有者といった情報は、OS がファイルを管理するための基本的なメタデータである。
  • デジタル写真 (Exif): デジタルカメラで撮影された画像ファイルには、撮影日時、カメラの機種、絞り値、ISO 感度といった Exif 情報がメタデータとして埋め込まれている。
  • ウェブページ (HTML): HTML 文書の <head> セクションには、ページのタイトル、説明文、文字コードなどを指定する <meta> タグが含まれる。これらは検索エンジンがページ内容を理解する上で重要な役割を果たす。
  • Markdown ドキュメント: Static Site Generator などで広く利用される YAML frontmatter は、Markdown ファイルの先頭に YAML 形式でタイトル、タグ、公開日といったメタデータを記述する仕組みである。